ギックリ腰=固定・安静は間違い?

ぎっくり腰

季節の変わり目で気温差が激しい春・秋にギックリ腰のお問い合わせが増えております。

ギックリ腰になると痛みも激しく不安感もあり動く事が難しくなり、痛みを悪化させないようにと安静にすることを選択しがちです。

ギックリ腰は急性炎症と言われ、筋肉が炎症を起こしている状態です。

ギックリ腰を起こした直後は少し安静にすることも大事なのですが、私の経験上ギックリ腰は正しい処置をして安静にしない方が早く改善します。

①血流改善

ギックリ腰になると腰の筋肉にズバッと傷が入った状態だと思ってください。

ギックリ腰の状態は、腰の筋肉(筋膜・骨膜)の組織が皮膚や筋繊維を癒着を起こし、少しでも動かす(伸ばす)とそれぞれの膜組織が引っ張られ異常な痛みが発生します。

施術にてギックリ腰の傷部分(癒着部分)にかかる負担を軽減することで痛みを軽減する事が出来ます。

しかし、炎症部位への負担を軽減しても傷自体が治っていない為完全に痛みが消失しているわけではないので、いかに早く回復しやすい状態に持っていくかが重要になります。

 

1つ目の重要なポイントが血流の循環確保です。

単純に傷を治してくれるのは血液です。

筋膜・骨膜・皮下組織それぞれに血流が悪い状態になると血液による栄養循環が途絶え傷の治りが遅くなってしまいます。

さらに、血液は酸素も供給している為血流が悪いと患部の酸素供給が不足し、ブラジキニンという発痛物質が生産され痛みをより感じることになります。

痛いからと言ってじっとしていると筋肉の収縮により起きる血の流れが低下するので発痛物質の生産が治まりません。

不安感もあり無理も承知ですが、ギックリ腰の場合は最小限の動きで出来る限りの日常生活動作を行い、血流の循環低下をなるべく阻止してほしいです。

②呼吸の改善

血流の循環を促す理由として大切なのが酸素の供給です。

呼吸が浅い場合はどうなるでしょうか?

そもそも体内に取り込める酸素の量が少なければいくら頑張って動いていても劇的には回復しません。

そのため、私は膜組織の滑走性を高めることに加えて必ず胸郭をすこしでも広げて呼吸を大きくできる事と、胸椎を動かすことで腰椎への負担を軽減しています。

こうすることで動きの改善と呼吸の確保によりもっと効率的に回復を促すことが出来ます。

③重力に耐える

私達人間は地球上にいる以上、重力の影響を受けて生活しています。

実はこの重力は身体の健康を維持するためにとても重要な役割を果たしているのはご存じですか?。

例えば、宇宙は無重力状態ですが、その状態で過ごしていたら人はどうなるでしょうか?

どんどん筋肉は使わなくなり平衡感覚を失い帰還した宇宙飛行士はすぐに自立して歩けない状態になっています。

重力があるおかげで私達は真っ直ぐを理解する事ができ、足の裏で体重を支えその情報が脳に伝わり姿勢維持機構が正常に働くようになっています。

そのように考えると寝ている時では自力で身体を支える事をしない為、姿勢を維持するための必要な情報が脳に伝わらないので姿勢を主に保持する抗重力筋は働かず痛みが取れたとしても復帰には多少時間がか書かる事があります。

多少痛みがあっても自力で立って日常生活をこなしていることで最低限ではあるが、身体を動かすことにより血流の停滞を防止し胸郭の圧迫が無いことにより呼吸を確保し酸素の供給を十分に持っていきます。

さらに自力で体重を支える事で姿勢維持反射により抗重力筋を働かせ痛みが引くとともに復帰もスムーズになります。

まとめ

まとめとして、ギック腰など筋・筋膜性の疼痛(急性炎症)などは極力寝たきりを避け、立位または座位をうまく使い分けながらも最低限の日常動作を行う事で早めの回復が見込めます。(安静が必要な場合もあるので一概にとは言えませんが)

しかし、極力痛みはでない方がいいに決まっています。

季節の変わり目で寒い時期・暖かい時期が繰り返されるとギックリ腰を起こしてしまう頻度が上がってしまいます。身体のメンテナンス・筋力強化・十分な睡眠をとり、日頃からケアをして頂き痛みを起こさない体作りを心がけましょう!

やまだ鍼灸整体院