頸椎の構造について

遠方からも多数来院されている「やまだ鍼灸整体院」です。

少し専門的なお話しになるかもしれませんが、「頸椎」について興味のある方はぜひご覧ください。

頸椎とは?

「頸椎」とは首の骨の事です。

頸椎には椎骨という背骨が7個あり、骨と骨の間に椎間板というクッションが6個あります。

椎間関節は8対で構成されており、神経は左右で対になって出ています。

頸椎の特徴

頸椎の構造はイラストのように、

7個の骨で形成されており

*6個の椎間板(頭部と1番、1番2番間にはない)

*8対の椎間関節(頭部と1番、1番2番間に関節あり)

軽度前弯しています。

背骨には大切な働きがあり、

1、支持性(頭部を支える)

2、保護性(重要な神経を守る)

3、可動性(よく動かなくてはならない)

以上の3つの相反する部分であり、バランスをとるのが非常に難しい部位です。

背骨は全体的に神経を守りつつ動きが必要です。これは首だけではなく、胸椎・腰椎の背骨にも言えるのですが、

頸椎は脳に近く重要な神経や血管が通っている為、他の背骨と比べるととても責任が重いのが特徴です。

もし頸椎に問題が発生した場合、

*重大な苦痛が出る

*活動の障害が出る

*生命への影響が出る

頸椎を損傷すると重篤な状態になる可能性が高いのかを知るために頸椎の機能解剖を説明していきますね。

頸椎の3つの働き

①支持性

頸椎は頭部を支える働きがあります。

頭の重さは大体ですが、体重の8~10%と言われています。

体重が50キロの人で約5キロ、80キロの人で約8キロぐらいです。

だいたいボーリングの玉くらいの重さがあります。

重たい頭部を支える割にはほかの背骨に比べて非常に小さいサイズです。

人間は二足歩行になった事で色々と便利なことが増えましたが、その分頸椎には重大な負荷がかかるようになりました。

②保護性

背骨には大切な神経を守らなければならない。

他の背骨(胸椎・腰椎)に比べると守らなければならない重要な神経が非常に多いのが特徴です。

脊髄は上部になればなるほど太く、それだけ重要になります。

頭部と頸椎にまたがって走っている神経が「延髄」といいます。

延髄には生命維持に必要な働きが多数あり、

循環・呼吸・嘔吐・嚥下・消化の中枢になります。

延髄が損傷されると呼吸が出来なくなり、命にも関わります。

③可動性

重い頭を小さい骨で支えるだけでも頸椎には重大な負担が掛かっていますが、それに加えて首は非常に大きく動く事が出来ます。

胸椎と腰椎を合わせた回旋角度は30度ほどですが、頸椎は90度も回旋することが可能です。

これは人間だけに限らず、動物全般に言えるにですが天敵から身を守るために重要な働きになります。

天敵や危険な事から身を守るために迅速に横や後ろを向く為にとても大切なことになります。

 

頸椎は負担が大きい場所なので、他の背骨の胸椎や腰椎と比べて退行変性が起きやすい部位でもあります。

※退行変性とは年を取ることにより暗部組織の水分量が減る事です

退行変性は白い組織に起きやすいのが特徴です。(椎間板・靭帯・腱・関節包)

特に頸椎の4・5・6番の骨は変形しやすいです。

事故やケガによる外傷による影響も大きくなり、最悪の場合は即死になる可能性もあります。

上部頸椎の特徴

頸椎についてもう少し詳しく見ていきましょう。

頸椎には7つの骨があります。

頸椎1番と2番は特徴的な形をしており、2つが組み合わさって出来ています。

専門用語でいうと、

1番は環椎・アトラス

2番は軸椎・アクシス

と言われます。

1番2番が特徴的な形をしている理由は、迅速に振り向きやすくするためです。

これは人体の中で最も回旋できる関節です。

環椎・アトラス

頸椎1番はリング状の形をしており真ん中の穴に頸椎2番の突起が貫通します。

普通の椎体は真ん中が太く両脇が薄い状態をしていますが、頸椎1番は逆で真ん中が細く両脇が太い形をしています。

動く範囲はかなり大きいですが、固まりやすく神経や血流の妨げになる事もあります。

 

横突起部分に穴が開いており、その穴に椎骨動脈だ通っています。

椎骨動脈は脳幹・小脳・大脳などを栄養する非常に重要な血管で、骨に守られている構造になっております。

さらに靭帯歯突起関節というのがあります。

通常関節というのは骨と骨の間にあるのですが、靭帯歯突起関節は靭帯と骨との間にある特殊な構造です。

上位頸椎は回旋しやすくなるために出来ています。

まとめると、

1大事な血管が骨を貫通し保護されている

2回旋の可動域が大きい

という感じです。

下部頸椎の特徴

下部頸椎は3~7番までの事です。

上部頸椎(1・2番)は回旋の可動域が広かったですが、

下部頸椎は回旋・屈曲・伸展・側屈と、各方向に少しずつ動きます。

*回旋:振り向きの動き

*屈曲:下を向く動き

*伸展:上を向く動き

*側屈:首をかしげる動き

 

下部頸椎には鈎椎関節=ルシュカ関節というものがあります。

椎体に出っ張りがあり、頸椎を安定させるための構造になっています。

側屈の制限にも働きます。

下部頸椎の動きで大切なのは、屈曲・伸展・回旋になります。

・下の物を拾うときには下を向きます(屈曲)

・空や天井を見るときは上を向きます(伸展)

・後ろから声をかけられたら振り向きます(回旋)

首をかしげる(側屈)はあまり重要性はありません。

首は脳から近く大切な神経や血管がたくさんありとても重要な場所でありつつ、屈曲・伸展・回旋・側屈を様々な動きに対応しなければなりません。

その中でも重要度の低い側屈の動きはルシュカ関節により制限されています

 

ルシュカ関節ですが、年を取って退行変性が進むと椎骨と椎骨の間が狭くなり、骨同士がぶつかったりもします。

そうすると骨棘という骨の棘が出てきて骨周辺の神経や血管を圧迫することで、頚椎症・頚髄症などの疾患が出てきてしまいます。

 

頸椎動脈は頸椎の横を走って脳へと繋がっているので、障害を受けるとめまい・頭痛・吐き気・貧血などの症状が出てきます。

神経が圧迫されるとヘルニア症状である、腕への痛みやしびれが出てきます。

血管や神経は骨に守られてはいますが、その骨が棘で攻撃してくると逃げ場がなく、かえってリスクが高まるという矛盾もあります…

頸椎のまとめ

頸椎は7個の骨で構成されており、各骨の間から頸椎神経が出てきています。

背骨には大切な働きがあり、

1、支持性(頭部を支える)

2、保護性(重要な神経を守る)

3、可動性(よく動かなくてはならない)

特に頸椎は他の背骨に比べて3つの働きが大きく、重要となっております。

その分頸椎が損傷すると生命の危機に晒されます。

現代人はスマホやパソコンを使うん頻度が多く、常に首に負担が掛かっている状態です。

首に負担が掛かり続けると頸椎が変形し、頚椎症・頸椎ヘルニアを発症する可能性があります。

 

頸椎の症状でお悩みの方はお気軽にやまだ鍼灸整体院へご相談ください。

頸椎の症状についてはコチラから詳しくご覧になれます。

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